シンコー・ストゥーディオの宝飾を手掛ける職人たち~ クリエイター

米井亜紀子(よねいあきこ)
メンズファッション界のライター岡崎英樹さんの取材記事です。

プロデュースしたものが売れた時は嬉しい。
でもその一方で、自分の子供のような想いでさみしい。
だからいつもかわいがってほしいと願っています。

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ワインにソムリエがあるように、ジュエリーの世界にもソムリエがいる。正確にはGIA(米国宝石学会)認定のG.G.(グラジュエイト・ ジェモロジスト)というらしい。それが今回インタビューした米井亜紀子さんだ。その雰囲気はジュエリーよりもワインのソムリエ、そちらの方がしっくりときそうような女性だ。彼女こそが造り職人、彫り師、デザイナーを結びつけた仕掛け人だ。

最近では「ジャパン・クール」という言葉があるように、日本のカルチャーが見直されているが、彼女が和にフォーカスしたのが、今から5年前のこと。そのきっかけはお客様からの1件のオーダーであった。その依頼とは自分のもっている指輪をリフォームしてアメリカに住んでいるお嬢さんにペンダントとリングとして送りたい。外国にいるから日本人の誇りが持てるものをというものだった。

「そのお嬢さんの何枚かの写真を見せてもらい、いろいろ彼女のことを聞き、彼女が仕事をしているとき、パーティーシーンなど、ライフスタイルを想像し、デザイナーの小原といろいろな案を出しました。」このように米井流のジュエリー造りは徹底的に身につける人のライフスタイルを分析することから始まる。まるで一軒の家を建てるように……。彼女はこのことを「ジュエリー造りは人生劇場」という言葉で表す。

その後、「和」はシンコーストゥディオのキーワードになった。そして和の出会いは連鎖した。和の工芸品の技術をもっている職人さんたちと出会えた。正確には、身近にいた職人さんが和のすごい技術をもっていた、それを再発見したのだ。というのも当時のジュエリー作りは欧米主体のデザインで、その和の技術は封印されていたのだ。

しかしシンコーストゥディオが和のジュエリーを作りたいという声に、職人、彫り師等が賛同。宝石のソムリエ、デザイナー、名工たちがうまく融合し、新しい和のジュエリー作りを生み出すことができた。

「だからオリジナルが売れた時は嬉しい。まず職人、デザイナーたちの嬉しい顔が目に浮かんでくる。でもその一方で、好きな作品は自分の子供のような想いで、さみしい。だからいつもかわいがってほしいと願っています。」

シンコーストゥディオの子供たち(ジュエリー)は過去の名工たちが作った工芸品のように、きっと何百年もその輝きを放ち続けているのに違いない。

 
  • Producer/米井亜紀子(よねいあきこ)
  • Designer/小原沙優(こはらさや)
  • Craftsman/坂元亜郎(さかもとつぎお)
  • Engraving/菊池隆志(きくちたかし)
 

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